沢尻えりかが逮捕されてから、約一週間ほどになります。
いったい彼女が所有していた薬とはなんなのか。
この本からみてみましょう。
この記事を読むと以下のことがわかります。
覚醒剤の一種 MDMA
沢尻えりか 逮捕の衝撃
女優の沢尻えりか氏が覚醒剤の一種であるMDMAを所有していたということで、警察に捕まりました。
その後の報道で今までにLSDや大麻、コカインなども使用したといわれています。
しかしながら、彼女の尿から覚醒剤反応はでておらず、起訴することが難しいかもしれない、ということが伝えられています。
このニュースは多くの人を驚かせたと同時に、企業やNHKなどにCMの中止やドラマの撮り直しなどの実損を与えたことで話題になっています。
では彼女が服用していたMDMAとは何なのかをみていきましょう。
MDMAは合成麻薬である
まず、世の中にはデザイナーズドラッグ(designer draug)とよばれる覚醒剤の一種があります。
これは、メタンフェタミンやアンフェタミンのような覚醒剤の化学構造の一部が変化しており、規制されている物質とは別物にみえる化合物のことです。
この化合物のなかからメチレンジオキシ基を付け加えてつくられたメチレンジオキシメタンフェタミン(MDMA)や、メチレンジオキシアンフェタミン(MDA)が生まれています。
更にMDMA分子中のメチル基をエチル基に変えたものがメチレンジオキシエタンフェタミン(MDEA)です。
これらの薬は「麻薬及び向精神薬取締法」の規制対象となっています。
ですが、覚醒剤の仲間であることは変わりありません。
この合成麻薬のうち沢尻えりかが所有していたのがMDMA(アダム)です。
アダムという名はMDMAがアダムのスペルに似ているからだそうです。
闇の世界では「X(エックス)」や「バツ」や「ペケ」、「タマ」ともよばれています。
もともと一九一二年、ドイツで合成され、アメリカで心的外傷(PTSD)の治療薬として使用されましたが、乱用が問題となり、一九八五年に非合法になりました。
アダムと同様にMDEA(イブ)やMDA(ラブ)といった薬もあります。
飲むとどんな症状がでるのか
これらの薬は幻覚作用がさほど強くなく、高揚感があらわれることに特徴があります。
もしかすると、それゆえに、仕事をしながら薬をつかえていたのかもしれません。
MDMAやMDAはそれぞれ、エクスタシー、ラブ・ドラッグという別名もあり、セックス・ドラッグとして乱用されているのです。
過去には歌手として有名だった押尾学が銀座のホステスにMDMAを服用させ、死なせてしまったことがあります。
要するにセックスをするのが好きな男女がさらなる快楽を求めて、薬を飲み、淫奔に耽るというのが使用目的なのでしょう。
とはいって、勃起やオルガスムには役立たないとのこと。
覚醒剤のヤバさ
そもそも覚醒剤をのむとどうなるの?
本書から引用します。
多弁、興奮、不安、不眠などの種々の症状がみられ、腸管運動が抑制され、膀胱括約筋が収縮することから、便秘をおこしやすく、また、排尿困難となることも多いという。重度になると、せん妄状態となって錯乱し、攻撃的な行動を示す。さらには、高い発熱、けいれん、昏睡から虚脱状態におちいり、結局、心不全や脳出血から死に至ることになりうる。
特に日本では覚醒剤使用者が他国とくらべて多いようです。
ヨーロッパではアンフェタミンは値段が安いために「貧者のコカイン」とよばれて、若者を中心とした乱用が問題になっています。
覚醒剤はやめたあとも五年、十年して幻覚や幻聴になやまされるといいます。
これを「フラッシュバック現象」といいます。
摂取すると多幸感が得られますが、その後は絶望感に押しつぶされそうになる。
その極端な精神状態がひきおこされることで、薬にやみつきになってしまうのだそうです。
やはり、やめようと思ってもやめられないものなのでしょう。
果たして、この依存症から抜け出す方法はあるのでしょうか。
難しい問題ですね。
前に痴漢依存症を治療する話をこのブログでもとりあげました。
どうぞお読み下さい。
↓薬物依存症に陥った人たちをどう救っていくのかを書いた本です。