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【感想】エリート男性はどうしてつらいのか。そのつらさをどう解消するのか。海原純子『男はなぜこんなに苦しいのか』

 

 今回紹介するのは『男はなぜこんなに苦しいのか』です。
 
 生きる上において、男性の生きづらさに焦点を当てた本です。

 多くの男性に取材してきた海原純子氏による実記には涙があふれそうになるぐらい悲しくてつらい男の人生があります。

 では、みてみましょう。

 

 

男はなぜこんなに苦しいのか (朝日新書)

男はなぜこんなに苦しいのか (朝日新書)

 

 

 

 

 

 筆者と男性エリートさん問題

 筆者の経歴
 
 

 海原氏は医学博士、心療内科医、産業医です。
 彼女は全国初の女性クリニックを解説しておられ、二〇一三~二〇一四年まで復興庁心の健康サポート事業統括責任者を努めておられました。
 主な著書に『こころの格差社会『会社でうつ 休むと元気ハツラツな人』などがあります。

 

 

こころの格差社会―ぬけがけと嫉妬の現代日本人 (角川oneテーマ21)

こころの格差社会―ぬけがけと嫉妬の現代日本人 (角川oneテーマ21)

 

 

 

 


 要は人々の心に添った医療活動をしていらっしゃる方なのです。

 今回はその中でも、エリート男性の話を抜き書きしていきます。

 

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 蕁麻疹が続いた患者 竹村孝一(仮名)の例

 

 

 竹村さんは一流大学を卒業し、専門の資格をもっておられる方でした。
 彼は職場で大きなプロジェクトのリーダーとして辣腕を振い、成果を遂げていました。

 しかし、年齢が三十代後半になると、出世したのはいいものの、次のような問題に出くわします。

 

①同僚達も出世したので、互いの交流がなくなった。
②同僚達も次のポジションを競い合うための好敵手となってしまった。

 

 

 竹村さんはもとから人と付き合うことが好きではなく、どちらかというと一人でいることが好きな方でした。

 彼らとの交流関係が終わりを迎えたことにより、孤独感が高まっていきます。

 

 その頃、彼が一番気にしていたことは次のようなことでした。

 

  •  分担して仕事を任せている他分野の人間の失敗

 

 

 プロジェクトにはいくつのかの分野から担当者を募っていました。
 しかし彼らのミスは、プロジェクトを統括するリーダーである竹村氏が責任を負うことになっていました。

 そのため、「自分の失敗ではない他人の失敗を、どうして自分が被らなければならないのか」という責任に押しつぶされていきます。

 

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 竹村氏のプライドによる問題の悪化

 

 この問題には竹村氏自身の思考にもありました。

 

 彼は自分は常に「冷静でクールでいたい」という気持ちがあったのです。

 だから、取り乱したり、頭を下げたりすることが許せなかった。

 ましてや、他人の失敗で謝罪することを考えると余計に腹が立ってしょうがなかったようなのです。

 

 アルコールを飲み耽ってしまうことで蕁麻疹に

 

 更にそのストレスを発散させるためにアルコールを多飲するようになります。

 これが海原氏のもとへ通うことになった理由なのです。

 アルコールを飲みまくることでGOT、GPT、γーGTPが上昇し、肝障害がひきおこされていました。

 蕁麻疹はストレスと肝障害よって生じやすくなります。

 ストレスによる不摂生で、竹村氏は病気になってしまったということです。

 

 エリート男性が病院にかかるときの特徴には四つある

 

 エリート男性が病院にかかるときの特徴は以下の四点といわれています。

 

 ①「こうあるべきである」という自己イメージが強い。ダメな自分の姿をさらけ出したくない。自分は男だから「他人に弱みをみせてはいけない」という縛りがある。
 
 ②「ある種の合理性と分別思考」のためである。
 職場のことを専門外の人間に話しても理解などできるわけがない。話すだけ無駄である。
 

 ③身体症状がきっかけで心療内科にくる。アルコール依存になっていたり、多飲で吐血したり、終電の駅から転がり落ちて入院したり。そこで初めて、自分がストレス過多になっていることを診断されて気がつく。
 

 ④一人が好きな人が多い。エリートかつ専門分野をもっていると、全てを一人で解決したがる傾向が強い。そのため、愚痴をはける仲間や友人がおらず、一人でため込み自滅する。

 

 要約すると、自分と他人との区別をつけすぎ、といえるでしょうね。

 彼の中には「自分は特別であり、孤高の存在である。誰からも理解されないし、理解してもらえない。俺は独りぼっちなんだ。しかし、能力が高いからこそ一人でも生きることができたのである。」という考えが根底にあったのでしょう。

 

 ストレスをもった人間を解放する方法ー表現するということの大切さ

 

 

 海原氏は次のように助言をしたそうです。

 

 感情を表現することと怒ってどなることは違うんですよ。表するというのは何らかの形で自分の心の中の感情を外に出していくことですから別にどならなくてもいいんです。たとえば、その気持ちを書いてみる。書いてからあとで自分でもう一度読んでみる。そうしたプロセスで自分の気持ちを客観的に点検することもできます。あとで読んでみると、そこまで怒らなくてもいいかと思ったり、逆に自分はよくやったな、と思うこともあるし。こうして自分の考え(認知)を点検するとストレスのもとに対してのとらえ方が変わってくるんです

 

 

 とりあえず思いを吐いてみることの重要性を指摘しておられます。

 

 表現方法ー男性はノートに問題点をかいてみよう!
 
 

 また、ノートに思いの丈を綴ってみることも案外大事なようです。
 特に男性は他人に自分の心を知られたくない傾向があるようなので、人に相談できないのであればノートに書くのはやりやすくていいかもしれません。

 

 これはメンタリストDaiGo氏が先月出された本が大いに役立つと言えます。*1

  

 

人生を変える 記録の力

人生を変える 記録の力

 

 

 

 その後の竹村さん

 

 会社での状況に変化はないそうです。
 しかし、お酒に頼らずに心療内科への通院や運動、自己表現などを通して彼の症状は落ち着いたとのこと。

 

 著者の海原氏は「自分の状況を語れる場」として心療内科を活かして欲しいと仰います。

 利害関係などない中立の立場で話をきいてくれる人物として活かせる。
 もちろん、専門分野についてはわかりません。
 しかし、わからなくとも、どのように感じ、どのようにつらかったかを想像し、共感することはできるわけです。

 

  やはり、自分の中だけでため込むよりもこっちのほうが圧倒的によい人生を迎えるためには必要なんですね。

 

 私みたいにアフィリエイトで食べたい!というぐうたらな人ではないわけです。

 

 終わりにーズンダのストレス発散法
 
 

    きょうの内容は如何でしたか。
 ストレスで苦しんでいる人は世の中にごまんと居ると思われます。
 
 そういった中で、追い詰められた人々をいかにして救えるのか。
 
 心療内科はそういった場を与えてくれるところでもあると。

 そして、何よりも自分のもやもやを表現することで、人はストレスを軽減できるのだということが強くかかれていました。

 

 私ズンダも、こうしてブログをやることで自分の憂さをはらしているような気がします。 
 
 勿論、読んでくださる読者の皆様がおられるからこそ、充実感をもてるわけです。
 
 実際、読者登録が少しずつ増えてきて、「イイネ」ボタンのようなものを押されると、非常に満たされた気持ちになります。

 

 これが行き過ぎると、過激なことをわざと言ったり、やったりするように人間はできているので、危険でもあるのですが。

 

 なんとか自制し、健やかな人生を送れるようにブログを更新していきたいとおもいました。

 

 もしよかったら、読者登録&ブックマークをおねがいします!

 

zunnda.hatenablog.com

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 ↓ちなみに、ストレスでくいすぎるとこの記事のような怖さもあるので注意しましょう。

 

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*1:DaiGo氏の本は今まで出版された多くの本のいいとこ取りである。それがいいか悪いかは別として、節約を考えるとお財布に優しいといえる。実際、この本でも数十個の書き方が紹介されている。もし「ノートであなたの問題を解決」といった本があった場合、その本におけるノートをとる方法は、一つ紹介されているぐらいである。
 だが、DaiGoの本を買えば数十冊分の知識が手に入る。これはかなり大きい。