平野秀樹『日本はすでに侵略されている』
この記事を読むと次のことがわかります。
☆日本は「不明化」していっている
☆政府は日本を守る気がない
☆日本人は自分たちの領土が売られ、侵略されていることに気がつかない脳天気な人の集まり
日本は侵略されているー戦争しなくとも、侵略はできるー
秋元司衆議院議員が家宅捜査された
先日、衆議院議員の秋本司の事務所が東京地検特捜部によって家宅捜索されました。
理由は外為法違反です。
日本での統合型リゾート(IR)事業進出を計画していた中国企業が不正に現金を国内に持ち込んだ疑いがある、という報道がなされています。
もしこれが事実だとすれば、中国による日本の国会議員への工作が行われているということなり、大問題に発展することでしょう。
といっても、今はまだ、疑惑の段階であり、彼が本当にお金をもらっていたかについては確然としていないことに注意しましょう。
オーストラリアは中国に侵略された。
実は今、世界中で上記のようなことが多発し、問題になっています。
たとえば、オーストラリアでは二〇一八年『SILENT INVSION』(静かなる侵略)という本が出ました。
Silent Invasion: China's Influence in Australia
- 作者:Clive Hamilton
- 出版社/メーカー: Hardie Grant
- 発売日: 2018/03/20
- メディア: ペーパーバック
↓ちなみに、こちらの本は上の本をもじって出されたのでしょう。日本が、どのように侵略されているのかを書いた本です。
オーストラリアの大学教授C・ハミルトンが執筆しています。
中国からの移民や経済進出などで政治、教育、安全保障が脅かされていることを明らかにした本です。
bloombergも報道しているように、これは歴然たる事実なのです。
国を守るために対策を急ぐオーストラリア政府
オーストラリアは農地取得を難しくし、インフラ保安法や国家安全保障法案などに着手し、中国の魔の手から自国を守ろうとしています。
何も対策しない日本政府
ひるがえって、日本政府は何をしているのか?
この本の著者である平野秀樹氏によれば
もはや傀儡政権と呼ばれかねないような「忖度」を、隣の大国につづけています
とのこと。
安倍政権を中国の傀儡政権と考える平野氏と共に、日本の現状をみてみましょう。
「不明化」とは何か
筆者によれば、元々あったものが消えてなくなることをいいます。
経済がグローバル化していくことで、国土や人やお金やモノや信用や主権がなくなっていきます。
外国人が土地を買い、そこに住み、気がついたら地元の住人が住めなくなってしまう。
そういった例の一つがニセコです。
香港資本の手に落ちたニセコ
このニセコについて、この間ニュースになっていましたね。
海外の富裕層が住み、物の値段が上がり、地元の商店街が壊滅してしまったという話です。
謎のペーパーカンパニーによって買われる土地
2007年オーストラリア資本から香港資本によって、施設が一括買収されます。
それ以降、周辺の土地は十倍以上も値上がりました。
結果、地主達は次々と土地を手放していきます。
その当時、誰もが問題視しませんでした。
唯一地方紙である十勝毎日新聞が「リゾートに隣接する土地が、目的不明だが、五七ヘクタール買収された」といった内容で報じます。
問題なのはこの土地の登記簿上の所有者が香港のペーパーカンパニーであり、いまだに「所有者不明の土地」であることです。
固定資産税が徴収できていないってこと、知ってました?
土地が十倍値上がりしたので、固定資産税もさぞ徴収できているはずだとおもうでしょう。
ところが、平野氏によると「徴収できていない」のです。
花園リゾートのように有名な施設は別ですが、周りの土地や分譲型コンドミニアムなどについては外国人所有者を追うことはできておらず、固定資産税がとれていないとのこと。
これに限らず、日本では「外資が買収した不動産の相当が同じ状況にある」のです。
実はこの税金、もともと「なかったもの」として「飛ばす」方法があるらしいのです。
徴税率が上げるために、「土地」をないものにしている
徴税率は次のような式で導かれています。
徴収額÷課税額(調停済額)
ところが先ほども述べたように日本では土地所有者不明の土地から税がとれていません。
では、どうやって「ごまかしている」のでしょうか。
実は徴税率には「不納欠損処理」という方法があります。
引用します。
表面上高い徴税率を維持するために徴税できない案件を課税対象から消し、計算式の分母から外してしまうのです。
ええ!?ってなりませんか。私ズンダは読んでいてびっくりしました。
具体的にどうやるのかを更に引きます。
幽霊地主やペーパーカンパニーの海外地主に課税通知書を送付しても宛先不明で戻ってきます。地主が補足できないときは、課税通知書の送達さえできません。その際、自治体が徴税は無理だと判断することで、その案件はなかったことにして即時消滅させるか、あるいは時候など(三~五年)を待って消滅させていきます。それを市町村議会が議決すれば、不納欠損処理は成立です。その課税案件はなかったことになり土地まで「消されて」しまうのです。
つまり、所有者不明だと税金を徴収することがないのです。
小癪なことに「表面上高い徴税率を維持するため、徴税できない案件を課税対象から消す」という細工までおこなっているわけです。
しかしもっとも大事なことは「土地まで消される」という箇所にあります。
これが平野氏がこの本で伝えたかった「不明化」という事態の具体例です。
税金を徴収できなかったことを隠すために、「土地などそもそも存在していない」といってしまえば、その瞬間から、日本の国土がなくなってしまいます。
日本の国土が売られている現実
これが今、日本全国でおこなわれていることなのです。
この本によれば以下の地域で、日本の土地が次から次へと売られていっています。
また問題は土地だけではありません。
消える外国人ー技能実習生とFラン大学の留学生ー
日本に来た外国人の一部は何処かへ消えている
二〇一九年、東京福祉大学で三年間に一四〇〇人もの外国人留学生が行方不明になっていることが判明しました。
↓の記事を読んで驚きました。
東京福祉大学で留学生が消えた記事を調べていたら、「秋本司」議員の記事がでてきました。
これで初めて知ったのですが、秋本氏はこの東京福祉大学で理事を務めていたんですね。
3年間で1400人の外国人留学生が所在不明になったことで問題となった東京福祉大学で理事を務め
特捜はおそらくこういった経歴から、彼を怪しんでいったのでしょう。
捜査がどこまで進むのか。国民としては留目すべき事柄ですね。
しかし、平野氏によれば、福祉大学の話は氷山の一角に過ぎず、失踪している外国人留学生は大勢いるとのこと。
留学生にかぎらず、外国人技能実習生は累計二万六千人も失踪しています。
ちなみに二〇一八年だけで九〇五二人も消えています。
いったい彼らはいま、どこで、何をしているのでしょうか。
当然、誰も把握できていません。
ここまで見てきたように、日本はすでに海外から、様々な形での侵略を受けています。
というか、「海外が日本を侵略している」だけではなくて、「日本政府が自ら日本を売っている」のではないかとも思えてきますね。
しかし、どうして政府はこういった売国政策をがんがん進めていくのでしょうか。
平野氏は自民党の自称愛国者たちを次のように批判しておられます。
「国土を守る」「侵略には断固抗議する」、保守を自称する議員達は威勢のいい言葉をよく口にしますが、実際の立法に向けては何も動こうとせず、やがて閣僚や与党幹部として政権側に収まる議員が目立ちます。本来なら、移民法や水道民営化には反対論の一つもありそうなものでしたが、これもまたすんなり成立してしまいました。
愛国ポーズは選挙と猟官のためのパフォーマンスにすぎず、要は「言うだけ」です。目立つ行動は重職に登用される時までで、その後はほどなく慎重派、新中(韓)派に転向していく、そういう議員を筆者はたくさん見てきました。
しかし、選挙の時だけ「日本を守る!」とかいわれても、何の価値もありませんね。
それに騙される我々国民も悪いのでしょうが。
ですが、実際、国民には何ができるのでしょうか。
日本が売られていることを自覚しよう
これが今の日本の現実なわけです。
まずはこの現実を知る必要があります。
そしてその上で、現実の政治家に対して、日本を守るように働きかけていかなければなりません。
それが我々の生活を守ることにも繋がることはいうまでもありますまい。
私は自己責任論は嫌いです。
しかし、もし自己責任論が成り立つとすれば「政治に興味をもたなかったこと」なのかもしれない、とおもっております。
終わりに
今回の本はいかがだったでしょうか。
先日、秋本司衆議院議員の報道を受けて、いそいでこの本を買ってきて、紹介文をかきあげたところです。
中国による支配というのは以前から、誰彼となくいわれてきたことでした。
疑惑の段階とはいえ、こうしてIR担当をしていた人物が家宅捜査を受けたとなると、日本でもオーストラリアと同じ事態になっているのかもしれないと推してしまいますね。
これらの本が信憑性の高いものであったと思い直しております。
平野氏の『日本はすでに侵略されている』にはこのブログで書いたことのほかに、多くの売国政策が載っています。
安倍政権下でここまで日本が売られていたことに驚く方も多いでしょう。
彼は一応、愛国者、保守として名が通った人物だったからです。
しかし問題は「実態がどうか」です。
↓日本で唯一、読む価値のある保守雑誌です。あとは、平野氏が糾弾した愛国ポーズをとっているだけの保守雑誌があるにすぎません。
「僕は皆さんのことを助けたいです」といいながら、人のことを刃物で切りつけている人間がいたとしたら、どうおもいますか?
言行不一致だとおもうでしょう。
大事なのは、どういう行動をしているか、であります。
我々はそこだけを注目していればよい。
新書は世の中を映している
普段から新書を確認していると何かあった際に、「あの本をかえばいい!」となるので楽ですね。
私は世の中の人がどれだけ新書を手に取っているのか分からないのですが、これだけ簡便に情報が手に入るというのはありがたいものです。
無論、世の中にはネットだけで十分な情報もありますが、少し腰を据えて読みたい内容については、やはり一冊の本として手にしておきたいですね。
実は平野氏にかぎらず、ここ数年、日本が外資に売られているという本はでてきています。
このことは、以前から何度もブログで紹介している中野剛志『目からウロコが落ちる』のなかで論じられているグローバリズムや新自由主義思想の影響が日本の政治家や官僚や企業などに及んでいるためです。
今、日本で起きている殆どの問題は「新自由主義」にあるといって過言ではありません。
そういう意味では、この本は幾度となく当ブログで紹介するべきだと思い、何度もリンクを貼ることにしています。
年末に入り、今年自分が読んできた様々な本を振り返るとそれが特に感じられます。
私が関心があることは「新自由主義」がもたらした弊害についてなのではないかと。
これは別の記事でまた書くことにします。
では、きょうはここまで。
ズンダでした。
よかったら、読者登録&ブックマークをおねがいします。
いつも読んでいただき、ありがとうございます。
*1:これについて、「商店街なんて何処もつぶれてるでしょ」というコメントが見受けられますが、こういったコメントをする人は警戒心のないノンキな人間ですね。
・外国人に侵略されている事実に気がついていない
・商店街が潰れると言うことは無職が増えるということであり、経済的な損失である
ということが考えられていないからです。
つまり、安全保障の観点が全くないわけです。
「商店街が潰れる」ことの意味や危険性について無知なので、「あー、つぶれたんだ」という感想しか吐くことができない。「自己責任だよね♪」で終わらせるのが関の山。
深刻な現実に気がつくだけの知識がないのですね。