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【新書 感想】呉座勇一『日本中世への招待』(朝日新書)

 

 

 『応仁の乱』(中公新書)で一躍有名になった呉座氏の最新刊です。

 この本は前書きにあるように以下を念頭に書かれています。

 

 

 

 

 日本史における中世人たちの生活を書いた新書

 

日本中世への招待 (朝日新書)

日本中世への招待 (朝日新書)

 

 

・書店に並ぶ中世史の本は政治史について書かれることが多かった。

 この本は中世の公家、武家、庶民、僧都らがどのような暮らしぶりであったかを書いた。

 

 何が書いてあるのか。目次紹介

 

 目次をみてみましょう。

 

 

【第一部】 人生の歴史学

  ●中世の家族

  ●中世の教育

  ●中世の生老病死

 【第二部】 交流の歴史学

 【 付録 】 さらに中世を知りたい人のためのブックガイド

 

 実際、読み終えてみると、驚くほど多彩な中世人の生活が描かれており、今の我々とは全く異なる風習や生活があったことがわかります。

 

 特に氏的継承と中性的「家」との学説紹介が面白かった。

 この本の特徴は新書にはあまりみられない学者による説の差を逐一紹介するところにあります。

 

 読み心地と読む順番

 

 呉座氏の本のなかでも、朝日新聞に連載されていただけあって、たいへん読みやすい本だといえます。 

 ただし第一部はこの本のために加筆した部分のようでかなり込み入った書き方になっており、少し読みがたいかもしれません。

 二部→一部の順で読むとラクかなと。

 

 中世史を研究する学者について詳しくなれる本でもある

 

 とはいっても、さすがに歴史学の専門性を尊んでおられる方だけあって、数々の学者名とその説とを紹介しており、素人にとっては躓きやすい箇所があることも事実です。

 

 しかし、学者達の説を紹介、検証していくなかで炙り出される相違や誤謬などを読むことは、推理小説の如き楽しみがあります。

 

 人の思考過程を覗き込む面白さを感じられるところなので、挑んでみて頂きたいですね。

 

 とりわけ【付録】の項目には中世史を代表する歴々たる学者達の名前や代表的な著作物などが紹介されており、一般人が足を踏み入れるに適した本が提示されているのは助かりますね。

 

 終わりに

 

 気楽に中世の暮らしぶりについて知りたい人向けの新書です。

 政治的な話がない分、堅苦しくなく、気楽に読むことができます。

 

 普段、歴史書を読むことがない方々はこういった本を窓口として入っていくと

面白いのかもしれません。

 

 ではまた、ズンダでした。

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  政治史的なものを知りたい方はちくま新書からでている「講義シリーズ」の『中世史講義』をどうぞ。

中世史講義 (ちくま新書)

中世史講義 (ちくま新書)

  • 作者: 
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2019/01/08
  • メディア: 新書
 

  

  ↓このシリーズは『近世史講義』もあります。こちらの記事で紹介しております。ぜひ、お読み下さい。

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