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英検一級超の水準に達するために 植田一三著 16000語レベル 最強ボキャブラリービルディング

今回は英単語帳を紹介いたします。

著者は英語塾も運営しておられる植田一三先生です。

出版社はベレ出版。英語の本も多数出版していますが、それだけに留まらず、日本史や世界史、科学、物理など入門書も精力的に出版している幅の広い会社ですね。ディレッタンティストというと語弊がありますが、広範囲にわたって様々な知識を得たい人にとっては有用な書物をだしておられます。

 

さて、タイトルにもある植田先生の16000語とはどんな本なのか。

この本の前に植田先生は2014年 英検1級英単語大特訓という本を出しています。英検でいうと五級から一級を超えた水準の単語を一気に羅列、

網羅した本でして、暗記することができればまさに英語一級―いや実際は英検一級よりも上ですが―といえるほどの語彙を得ることも可能な辞書のような単語帳でした。もはや「帳」といえないほどの中身でして、生半可なやる気では挫折必須なものです。

 

しかしながら這般の本は『英検1級英単語代特訓』と比較すると、大変とっつきやすい本になっております。その特徴は問題形式になっているところです。

前著ではひたすごり押しして暗記に耽るしかなかったのですが、今作は問題を解きまくることで頭に適度な刺激を与えつつ覚えられるようになっています。

 

このブログで何度も登場したDaiGo氏も仰るように暗記のコツは「思い出すこと」にあるわけですが、思い出すためには覚えているかどうかの確認作業が要ります。そのために我々は空欄を補充する問題を解くわけです。こうすれば必然的に思い出す作業をせざるを得なくなるために脳味噌が働き、暗記効率がよくなるのですね。よって、16000語レベルの問題遠州中心の方針は真っ当なものといえます。

 

音声はベレ出版上でダウンロードできます。

 

しかし、ここで一つ申し上げておかねばなりません。

この本の唯一の欠点が音声にあります。

それは問題以外の各単語とコロケーションの音声がないことです。

これには唖然としてしまいました。

たとえば20Pに「反意語を一気にマスター!」の項目があり

abstract⇔concreteというふうに対義語が並んでいるのですが、この頁には一切音声がありません。一般語彙の章だけで計32Pありますが、32P分、丸ごと音声がないのです。そして、他の章の問題以外の部分も音声が欠如しているのです。全トラックが96しかない。18Pから419Pまで単語が臚列されていることを考えれば96トラックの少なさがすぐにでも了解されることでしょう。

 

これはさすがに瑕疵では済ませられない致命的な失敗ではないでしょうか。

この本は1級単語大特訓と異なり、問題演習中心の本でした。しかし、問題だけではそもそも単語数が少なすぎます。それ故に補完として「一気にマスター!」という項目のなかで大変多くの単語やコロケーションを紹介しているのにもかかわらず、それには音声がないとは。

しかも、『1級単語大特訓』はほぼ全ての単語に音声がついていたことを考えると

この度の不始末は手抜きではないかといいたくなるほど酷い。

 

いったいどうして、帯に短し襷に長しというべき欠点が出てきてしまうのか不思議でしょうがない。ベレ出版は音声DL方式を取っているのであれば今からでも追加で

この部分の音声をDLできるようにすべきでしょう。看過することのできない汚点です。

 

私は今の段階だと『 英検1級英単語大特訓』をお勧めしたいと思います。

問題演習などない退屈な本ですが、平均的な日本人の英語力を遙かに超えた水準に至りたいのであれば、ご覧になるとよいでしょう。