仮面をかぶったyoutuberラファエル 彼は何者なのか
待望ともいえるラファエル氏による自著『無一文からのドリーム』が発売されました。
彼のファンも彼のアンチも、ラファエル氏がいったいどんな人物なのかを知るにはうってつけの本の登場です。
ラファエル氏といえば、様々な炎上や過激なネタをやって、youtubeアカウントがBAN(アカウント停止のこと)されたことでも有名です。
その彼の半生とはいかなるものであったのか。
そこには彼がyoutuberとして羽ばたくための肥やしがあったはず。
それをみると同時に、私ズンダが個人的に「なるほど」と頷いてしまった部分などを紹介していきます。
貧乏人の子供として産まれる
父親との関係、そして父親をみて分かった現実の厳しさ
大阪で生をうけたラファエル氏は父、母、姉、自分の四人家族でした。
父親は大の酒好きで知り合いの保証人になっていたために借金漬け。
そのためラファエル氏の子供時代に両親は離婚してしまいます。
その頃からとてつもない窮乏生活を送っていたラファエル氏ですが、一度たりとも挫けたり弱音をはいたりはせず、人生をどうやって「前へ」進めていくかを考えていたそうです。
このお父さんはラファエル氏が社会人になり、働いていたときに公園でホームレスになってしまっていたそうです。
その後、彼は病気になり、病院へ入院する羽目になりました。
ラファエル氏が病院へ見舞いに行った際、この父親が姉に対して「五千円、かしてくれないか」といったことは氏にとってショックであったとかかれています。
ラファエル氏が父親から学んだことは次のようなことでした。
お金がない辛さや哀しさや惨めさだ。そしてそれは、僕の心に刺さったまま、今でも原動力になっている。
母親との関係
お母さんは美容師をやって、ラファエル氏を育てていました。
しかし、ラファエル氏とはソリが合わず、お互い仲が良いとはいえない関係だったそうです。
お母さんは異常に猜疑心が強く、神経質な人であったとかかれています。
勿論、これはお父さんとの離婚や借金の問題があったために、神経が過敏になっていたのだろうと惻心(そくしん)することは許されるでしょう。
ラファエルの後悔
ラファエル氏は前向きな方で、何かがおきても必ずどうにかなる、どうにかできるという考えをもっておられます。
その彼はどんな失敗があっても、挫折せずに「次からどうすればいい」と思い直し、傾向と対策とを考えて、すぐに後悔の念を捨てるといっておられます。
しかし、ラファエル氏にも唯一後悔しておられることがあるそうです。
ラファエル氏はお母さんに対して自分がyoutuberになって莫大な収入を得ていることはいえませんでした。
そんな忙しい最中、お母さんは末期ガンになってしまい、この世を去ります。
ラファエル氏は「母親に親孝行」できなかったことを深く嘆き、「きちんと説明して伝えていたら」と記しておられます。
『韓詩外伝』という書物があります。
この中に、「風樹の嘆」という言葉があります。
今、原文を引用します。
樹欲静而風不止子欲養而親不待矣
木静かにならんと欲すれども風やまず、子(親を)養わんと欲すれども親待たず
木が静かになりたくとも風がふいているのでどうしようもないのと同じく、子供が親を養おうとしたときには親はもういない。
このように、親というのは自分が恩を返そうと思ったときには、もうこの世からいなくなっているものなのです。
その悲しみが、木々の葉がカサカサと鳴る寂しさとともに表しているのです。
ラファエル氏ほど成功した人でも、親に対して恩返しができないのだとすれば、この世から悲劇がなくならないのも理解できますね。
ラファエルに備わっていたある才能と仕事
人と仲良くなれてしまう。
その後、ラファエル氏は高校三年間をバイトで明け暮らします。
彼は幼少期は弱虫でいじめられっ子だったらしいのですが、徐々に「自分は何もない人間なのだから。失うものなど何一つとしてない」という考えがでてきて、メンタルが強靱になったといっておられます。
そして、成長するにしたがって、ある長所に気づきます。
俺には誰とでも仲良くなれる才能がある。
これこそ、ラファエル氏の最大の資質でした。
彼は初対面でも人の心にはいりこみ、ぎゅっと相手の気持ちを握ることができる天性の「たらし」だったのです。
その結果、ラファエル氏は料理屋でのバイトやキャバクラでの客呼び、自衛隊や営業職でも、人間関係をたやすく構築し、自分に有利な状況を作り出すことができたそうです。
いやはや、うらやましい限りですね。私なぞはコミュニケーション力がないので、こういった関係を築くことがほんとうに苦手なのですが、ラファエル氏はそんなのは微塵もないわけです。純粋に羨ましい。
youtuberとしての下地がバイト時代につくられる
ラファエル氏は仕事をするのが大好きだといいます。
売れっ子youtuberになった今も、平均労働時間は二十時間。睡眠時間は四時間だというから驚きです。
ブラック企業に対抗、もしくは打ち勝つことができるぐらい仕事に従事しているわけです。
バイトで得た能力 スケジュール管理
ラファエル氏は勉強はてんでできなかったのですが、料理のバイトをしていたおかげで、いまだに自分で料理をすることが多いそうです。
そのときに身につけたのが「時間以内に手際よく整理して行動する能力」だったそうです。
これがyoutubeの動画をつくるときに非常に役立ってるそうです。
自衛隊で自分の隠された能力を発見する
バイト三昧だったラファエル氏は自衛隊に入隊します。
ここでIQテストが行われたのですが、そのIQテストで非常に成績な優秀をおさめることができたとのこと。
今まで小中高と勉強が全くできなかった自分にこんな能力があったというのがわかります。
- 人の顔を一度みると覚える
- 記憶力がかなり高い
これに先ほど述べたコミュニケーション能力の高さがそなわっているのがラファエル氏の特長なわけです。
だとすると、人脈を気づくのが上手い理由も頷けますね。
自衛隊でメンタルを更に鍛える
自衛隊での訓練は相当にきびしかったようです。
ましてや、上下関係が厳格に定められているわけですから、理不尽な命令でもきくしかありません。
しかし、それがまた、自分の甘い部分や未完成であった部分を鍛えることができた理由だとものべておられます。
ラファエル氏は「今の自分に悩んだり迷ったりしている人がいたら、一度自衛隊に入ってみたらいい」とまで仰います。
さて、自衛隊のなかでも「営業職に向いている」などといわれ、その人たらしの技術を認められたラファエル氏は社会でもう一度じぶんの能力を試したいと思うようになり、四年ほどで自衛隊をやめます。
ラファエル氏は営業の仕事について、仕事をしながらアルバイトもし、バリバリ働きます。
優秀な上司二人にであい、彼らの仕事ぶりと言葉から多くのことを学んでいきます。
そして出世もついてきます。
成功する人は睡眠時間が短い
その中で気づいたことがあったそうです。
「成功するひとは睡眠時間がみじかい」ということでした。
「一年を十二ヶ月でなくて十三ヶ月にすればいい。」
「どんな職種でも、仕事は本気でやり切れるかどうかで結果が大きく違ってくる。」
「単純に能力がないのなら、人の三倍働くしかないだろが」
といった一瞬、根性論にきこえてしまうことばの数々がここにはかかれています。
ラファエル氏自身は根性論や精神論の類いは嫌いだといっています。
ですが、徹底して効率を求めたあとに残るものは「それにかけている時間ではないだろうか」というわけです。
これはうなずけますね。
効率を求めることは必須です。
時間がかかったり、おかしなやりかたをしていれば結果や成績を得ることは難しくなります。
そしてそれが挫折の原因にもなる。
けれども、もっとも効率的なやり方を得たところで、それを実践しなければ何の意味もありませんね。
その最効率ともいうべき方法を発見した後は、ひたすら時間をかけて没頭する。
そんな必要があるのではないでしょうか。
ラファエル氏が言いたいのはそういうことです。
最効率×大量の時間=最高の結果
という方程式が成り立っているのですね。
ラファエル氏の行動は常にこの方程式にそっているといえるでしょう。
彼は思考しないで、ただ動いている人間ではありません。
パチンコなどのギャンブルも一切やらないといいます。
勝てる確率が五十%以下のものには手を出さないと明言しておられます。
勝てるとなったら、すぐに計画を考え、すぐに動き、すぐに動画にする。
思考した上での行動力あります。
ちなみに、先日、youtuber兼ブロガーとしても有名なまなぶさんという方が次のようなツィートをしておられました。
例えばですが、僕が「今週バンコクに来たら、無料でブログ指導します」とかってツイートしても、動く人は少ない。
しかし、個人で成果を出してる人は、こういったチャンスを掴む際のフットワークが、鬼のように軽かったりします。速度があると、相手に熱量が伝わり、それがあなたの評価になります @manabubannai
私はこのツィートを読んだときに「あっ、そういうことか」と気づかされた感じがありました。
今、本屋へいくと「行動力がすべて」といった本が多くならんでいます。
皆さんもご覧になったことがおありでしょう。
けれども、どれを読んでもいまいちピンとこなかった。
何か実感を伴うような感じがしなかったのです。
しかし、このまなぶ氏のツィートは切情にかんじました。
つまり、機会があるのであれば、積極的に会いにいかねばならないし、働きかけて、何が何でも手に入れるような気迫や行動力が必要なのです。
これはビジネスでも恋愛でも何でもそうでしょう。
成功する人は常に何かを得ようと目論んでいます。
泥水すすってでも、取得するために這いつくばう。
そういう奪い去るような裂帛たる気合いがなければいけません。
ラファエルはなぜ白面をかぶるのか-シバターと喧嘩した理由
さて、最後になりますが、私ズンダがラファエル氏が述べたことでもっとも感心したのは彼の白い仮面をかぶる理由についてです。
彼は次のようにいいます。
キャラクターとして存在を確立するため永遠に歳をとらない点だ。顔出しのyoutuberは、もし死んでしまったら一年も経てば皆の記憶から消滅する。だけれど、白マスクにグレーのフードで現れるキャラなら何十年後でも実物として生き長らえる。ミッキーマウスと同じだ。中身となる人を誰かに引き継げば、ラファエルは百年後も存在する、と僕は考えている。
これは、なるほどなあ、と思わされましたね。
たとえばヒカキンさんをかんがえてみましょう。
ヒカキンさんは二回か三回ほど「自分がハゲてきている」という動画をつくっておられます。
そのとき、ヒカキンも歳をとってきているのだと誰もが思ったはずです。
まだ二十代の若かった青年は三十代にはいり中年へと歩を進めている。
そんなヒカキンを我々はどううけとめるでしょうか。
今はまだハゲていません。
しかしハゲがいよいよ進行したり、あるいは顔に肉がたまっていき太っていく。
加齢が彼を襲うわけです。
それでも、ヒカキンを変わらず応援していける人はどのくらいいるでしょうか。
いっぽうで、ラファエルは仮面をかぶっているがために、ずっと若いままです。
むろん、体つきはかくせません。
しかし、顔以上に年月を感じさせるものはないでしょう。
ラファエルはいわば、時を止めた状態にある、といえます。
彼は視聴者に対して、不安や変化を感じさせることがなく、一定に保ったままの姿をみせつづけることができるのです。
そんな彼の考えに私はyoutuberとしての見識の高さを感じました。
終わりに
さて、ラファエルさんの本はいかがだったでしょうか。
Amazonでの星は低いですけれども、実際に読んでみると、彼の考えていることがしみじみと感じられ、存外、面白い本でした。
では、またおあいしましょう。
ズンダでした。
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