皆さんは時間を上手く使えていますでしょうか。
一日のうち、どれだけの時間を自覚的に有効利用といえますか?
せっかく休日だというのにスマホやPCでTwitterやyoutube等で時間を費やしてしまい、気づいたら夕暮れになり、一日が終わる・・・・・・。
そんな経験をしている人は多いのではないでしょうか。
今回紹介する本『TIME SMART』は一日を荏苒と過ごしている人々へ向けた本です。
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これを読んで、今こそ自分の時間をとりもどし、満足感のある人生を歩んでいきましょう。
未来、時間ができたら○○しよう、は叶わない
死を忘れてないか?
私たちは一生懸命に働き、お金をつくり、老後、時間ができたら旅行しよう、遊ぼうなどと考えがちです。
しかし、この本の著者アシュリ・ウィランズはそれに疑義を呈します。
私たちは年齢や学歴や収入とは関係なく、同じ現実を共有している。
自分にどれだけ時間が残っているのかは、誰も知らないのだ。
そう、ここでいわれているとおり、私たちはいつ死ぬのか分かりません。
この世界の誰もが、いつ、どこで、どんなふうに死ぬのかはわからないのです。
「TIME IS MONEY」=時は金なりは正しいか?
産業革命以降、時間を使ってお金を稼ぐことが人生の目的とされるようになりました。
私たちは皆、お金を最上位のものとして、働き通しに働くようになります。
若い頃の健康で元気な体を使い倒して、未来に訪れる暇な時間を楽しむ。そんな考えです。
アリとキリギリスの話は誰でも知っているでしょう。
今頑張って働かなければ、将来、お前はキリギリスのようになる、と子供の頃から御伽噺で脅され、勤勉を求められる。
アシェリーはそんな教えに洗脳された世人を警醒しているのです。
私も含め、ほとんどの人が、時間をお金ほど大切にしそこなう。こうしてお金にばかり目を向けているから、ストレスと不幸と孤独感が蔓延し、多くの社会がそれに手を焼いているのだ。これは金銭的にも、それ以外のかたちでも高くつく。研究者はこの現象をひとまとめにして、「タイム・プア(時間的に貧乏)」と呼ぶ。
あなたは「テイラー」か「モーガン」か
さて、アシェリーは人を二つにわけています。
時間をお金よりも大切にする「テイラー」とお金を時間よりも大切にする「モーガン」です。
勿論、彼は「テイラー」こそが望ましい人物だと述べています。
そして、多くの「モーガン」に対して「テイラー」になることをすすめています。
その理由として以下のことをあげています。
・幸福感が増す
・社会的なつながりが強まる
・人間関係の満足感が増す
・仕事の満足感が増す
これらにはそれぞれに研究があり、私たちは時間を中心とした生活にすると、満足感を得やすいということがわかっています。
この本では具体的にどうすれば「時間」を上手く仕えるようになるのかが書いてあります。それは本書で確認していただくとして、私ズンダがここでとりあげたいのは次の考え方です。
時間を「お金」に換算する=ハピネス・ドル
アシェリーは「D.Soman,“The Mental Accounting of Sunk Time Costs:Why Time Is Not Like Money,"」という論文を引いています。
明らかになったのは、人々は時間とお金を天秤にかけた場合、お金をえらぶということでした。
というよりも、人は時間を適格にとらえることができないのです。
実験は以下のようなものでした。
選択肢A 大好きなバンド(5時間の労働の対価)
選択肢B 良いバンド(15時間の労働の対価)
選択肢A 40ドル払って手に入れた大好きなバンドのチケット選択肢B 200ドル払って手に入れた良いバンドのチケット
人々は最初の選択肢では大好きなバンドを選び、次の選択では高い方のチケットを選びました。
さて、ここからわかるのは、人間は「わずかな時間の損失よりも、わずかなお金の損失のほうに敏感」であり
「働いた時間が少なかったチケットを選ぶよりも、金額が小さいチケットを選ぶほうが、損失が大きいように感じる」ということでした。
引用します。
私たちはお金の価値は把握できるけれど、時間の価値は把握しにくい。もし時間の価値が把握しやすかったなら、つなり、自分の時間にどれだけ価値があるかが簡単にわかったなら、タイム・リッチになる決定も下しやすいだろう。
アシェリーはここから「ハピネス・ドル」という定義をうみだします。
ハピネス・ドルを、時間に関連した選択によって生み出される幸せの量を収入に換算したものと定義する。 たとえば、自分の時間をタイム・リッチなかたちで使うような、ある決定を下すと、1万ドルの昇給から得られるのと同じだけの幸せを感じる。その選択をしたときには、それだけの額の収入を得たときと同じだけ幸せになるわけだ。
すなわち、私たちが苦手な「時間」を「お金」と同じように考え直すことで、把握できるようにしたのが「ハピネス・ドル」です。
驚くべき時間の効果-ハピネス・ドルと年収の比較-
もし年収5万ドルの人が1万ドル昇給すると、十点満点のスケールで幸福感が平均すると約0.5ポイント増やすことが、調査からわかっている。同様に、大嫌いな雑用や家事などを、お金を払って外注し始めると、10点満点のスケールで幸福感が約0.5ポイント増す。これら2つの数値を比べれば、外注するという決定が生み出す幸せの量をドルに換算できる。それは、年収5万ドルの人にとって、約1万ドルに相当する幸せということになる。
この換算が厳密なものではないことは認めざるを得ない。(中略)幸福感の高まりの度合いは、負債の大小や月々の出費、収入などの要因次第で変わる。
この把握の仕方には問題があることを認めながらもアシェリーは「リアルに時間を考えるための方便」として採用しているわけです。
時間を確保することで多額のお金を得ただけの満足感が得られるといいます。
たとえば、年収5万ドルの人にとって、通勤時間を減らしたいr、ハウスクリーニング業者を雇ったりするために費やすお金の価値は、毎年の世帯収入を4万ドル近く増やすの相当する幸せにつながりうる-もし毎月最低でも150ドル使って嫌いな雑用や家事を外注すれば。年収12万5000ドルの人が同じ選択をした場合には、その価値は1万6000ドル弱になる。依然としてかなりの額だけれど、4万ドルよりはずっと少ない。
これは日本のような後進国になりつつあり、賃金も上昇しない国の人々にとっては特に活用すべき考えかも知れません。
たとえば、「時間を大切にする」という心構えに換えただけで年収が2200ドル(=22万円)の年収が増えたのと同じになるといわれています。
更に、公園での散歩や行きたい店でご飯を食べる、といったことをしただけでも人は3600ドル(=36万円)ほどの満足感が得られるといいます。
研究者は完璧な経験を求める人を「追求者」、良い経験を求める人を「満足者」と呼ぶそうです。
自分の行動を「満足者」に変えただけでもここまで心理的に充足するのです。
お買い得品をさがすのは時間の無駄
皆さんの中には、Amazonや楽天などでもっとも安い製品を購入しようと思っておられる方もいらっしゃるでしょう。
私ズンダも、この間、壁時計が欲しくなったので、数時間ほど検索し、ようやく購入するに至りました。
しかし、この本でその「お買い得品をさがす」という行為はハピネス・ドルで換算すると3300(=33万円)の損失に当たると書いてあり、私は愕然としました。
これはH.Leggatt,“Survey Reveals How Long Shoppers Spend Comparing Prices Online,"の調査によりますが、「オンラインショッピングをする消費者の10人に9人が、練り歯磨きのような安い品物を買うときにさえ、お買い得品をさがす」といわれており、平均32分もかけているらしいのです。
歯磨き粉程度で32分もかけるのはバカバカしいですよね。
しかも安くなったところで数十円ほどでしょう。
これが積み重なり3300ドルも失われるのは本当に馬鹿げてます。
終わりに-時間はタカラモノである-
さて、本書が伝えたかったことは以上です。
時間をハピネス・ドルという定義で捉えなおせば、自分たちがいかに時間を無駄に使ってきたが分かりますね。
お金を稼げ無くとも、満足感を得る方法は、時間を確保し、意識的に使うことなのです。
これは先にも触れましたが、今の没落しきった日本のような国では必須な人生知ではないでしょうか。
そして、私ズンダが以前から紹介している幸福になるための方法の一つとして今回の著作物も役に立ちそうです。
↓この本では「お金」による幸せと「経験」による幸せとが二つにわけて語られている。
私たちがどうすれば幸福感を味わえるのかについて知りたい人におすすめの本だ。
『TIME SMART】には「時間」を意識するための「自己診断シート」がついているので、以下のリンクから飛んでいただき、ぜひこの本を購入し、読んでいただきたいと思います。
では、またお会いしましょう。ズンダでした。
↓ちなみに、今回紹介した本に似たものとしてメンタリストDaiGoの本がある。
個人的な感想あるが、具体的なやり方については以下の本の方が詳しく書いてあり、真似しやすいとおもっているので、おすすめできる。
ただし、「時間の大切さ」に関してはやはり今回の『TIME SMART』を皆さんにはよんでもらいたい。