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令和 2019年のゲーム 26年ぶりに 「ゼルダの伝説 夢をみる島 リメイク」をやった人間の感想 ネタバレ

 

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 先週の金曜日、2019年9月20日に『ゼルダの伝説 夢をみる島』のswitch版がでました。

 

 元々このゲームは1993年にGB(ゲームボーイ)で発売されたソフトであり、当時、モノクロで表現されながらも叙情性に富んだ物語に舌を巻いた記憶があります。

 それは今回、switch版をクリアしてみても思ったことです。

 

 

 

 

 あらすじ(ネタバレあり)

 

 ストーリーは筏(いかだ)で航海していた主人公 リンクは凄まじい嵐に出くわし、筏は難破。

 気を失ったリンクが目覚めたのは、とある島のとある家でした。 

 

 

 物語はリンクを中心に動きます。

 彼を助けた父と娘であるタリンとマリンはところどころ出番がありますが、

ストーリーを進めるための歯車にすぎず、主要な役割は与えられてはいません。

 あくまで今作はリンクが主役なのです。

 

 筋は非常に簡単な物です。

 

 漂着した島から脱出するためにリンクは「かぜのサカナ」を目覚めさせ、島からの脱出をはかります。

 そのためにはダンジョンに隠された8つの楽器を集めなければいけません。

 

 リンクは8つのダンジョンをクリアし、サカナの目覚めを阻止していたラスボスを倒します。

 サカナを覚醒させたリンクは、コホリント島から出ることができたのでした。

 

 EDはなんともいえない切なさが、爽やかな青い空に反して訪れます。

 彼が漂着したコホリント島は「かぜのサカナ」がみていた「夢」でしかありませんでした。

 つまり、そこにいた人物や建物や魔物や自然などは、すべて夢によってうまれた産物にしかすぎず、現実ではなかったのです。

 

 リンクが旅した島は、サカナが目覚めたことで消失します。

 自分を助けてくれたタリンとマリンも、サカナの覚醒で自分たちが消えることを嫌がっていた魔物連も。

 このEDの侘び寂びや無常観というのは形容しがたいもので、コホリント島の存在は、人生の坩堝ともいえます。

 

 リンクは現実世界では勇者でした。

 それゆえ、目覚めたいと願った「かぜのサカナ」に呼び込まれ、コホリント島に漂着することになったのでしょう。

 

 switch版の長所と短所

 

 ①まるでGBをプレイしているかのような感覚におちいる。

 

 映像も音楽もswitchのために新しく作りなおされているのにもかかわらず、その感覚は若い頃にやったGB版となんらかわらないように思えます。

 

 ボタンを押したときのリンクの動きや敵を切り倒したときの感覚。

 謎解きやフィールドをひたすら歩いている空気や場面の質感なども、GBをやっていたあの日と変わらぬ景色がそこにはあります。

 

 このswitch版『夢をみる島』は不思議なもので、何もかもが新しいはずなのに、何もかもが昔と変わらないのです。

 

 リメイクは下手に弄ると昔日の想い出を汚された気がするものです。

 それは懐古趣味からきているのかもしれません。

 

 為にリメイクというのはメーカーにとって両刃の剣なのです。

 

 ですが、このリメイクはそんなプレイヤー達を後悔させることはありません。

 迷っている方、大丈夫です。

 悩まずにこのゲームを買いましょう。

 

 あなたが若かった頃にはまりこんだ『夢をみる島』が再びあなたを出迎えてくれることでしょう。

 

 ②ワープゾーンが追加されたことによりプレイがサクサク進む

 

 これはswitch版の新規要素です。

 ワープすることで各所に飛ぶことができます。

 

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 面倒だった「貝殻の館」やタルタル山脈にもワープゾーンを開拓すればすぐさま飛ぶことができます。 

 これは攻略や貝殻集めにも便利だったといえます。

 

 switch版の短所 ボリュームの問題

 

 追加のダンジョンがない!ことです。

 私にとってはこれが唯一の欠点でした。

 当時GBの容量を考えると、これだけの内容がGBに詰まっていることに感動を覚えましたが、さすがにswitch版にリメイクしたことを考えると、何かしらかの追加があってもよかったのでは?と考えざるを得ません。

 もちろん、「パネルダンジョン」という自分でダンジョンを作っていく新規要素はあるのですが、まあ、これが非常に愚にもつかない出来でして、これなら普通に新しいダンジョンを追加すべきだったといえましょう。

 

 実はGBにはGBCゲームボーイカラー、というモノクロであったGBに色がつくようになった新機種がありました。

 この『夢をみる島』はそのとき一回リメイクされています。

 そこで追加されたのが下の写真にある「服のダンジョン」です。

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  ダンジョン自体は別に面白くはありません。本編のほうが色々工夫がされていて、解いていて面白い。

 ですが、新版を出すにあたって追加要素がないのは物足りないだろうと考えて、こういったダンジョンを作ったのでしょう。

 追加のダンジョンが3つぐらいあればもっと楽しめたのになあ、と思わざるをえません。

 値段のほうもリメイクで6000円です。

 実質賃金がガンガン下がっている日本人にとっては苦しい限りです。

※ちなみにGBC版は「写真屋」という店があったのですが、switch版では削除されている。

 

 歳をとることで「夢をみる島」は更に名作になる理由

 

 ですが、ゲームとしては本当に面白い。

 あれから年月が26年たっていますが、名作だけあって、古びずにその価値を保ったままといえます。

 

 ラスボスを倒した後にあらわれる「かぜのサカナ」は次のようにいいます。

 

 

わたしが、めざめると、
コホリントじまはきえるだろう
しかし、このしまの おもいでは
げんじつとして、こころにのこる。
そして・・・ キミはいつか
このしまを おもいだすだろう。
この おもいでこそ、ほんとうの
ユメのせかいでは、ないだろうか


夢はいつか覚める。それは自然の定めなのである。
しかし、いつか見た夢は、人々の心に残る。
そして人々はやがて、かつて見た夢を思い出す。
それこそが、心に映る本当の夢の世界なのだろう。

 

 このゲームを26年前にプレイした人々はこのサカナの台詞をどう受け止めるでしょうか。

 長い年月が流れました。

 家族を持った人、つらい別れがあった人など色々いるはずです。

 

 私は自分の若い頃を思い出しました。

 色んな親戚や友人や先生がいた。

 今はその人達ともう会うこともないし、会うことができない。

 

 ただ、自分の頭の中だけに彼らの姿が存在している。

 つまり、夢のセカイで彼らは生きているわけです。

 

キミはいつか
このしまを おもいだすだろう。
この おもいでこそ、ほんとうの
ユメのせかいでは、ないだろうか

 

 人は長く生きればいきるほどこうした想い出が増えていきます。

 「風のサカナ」にいわせれば、想い出=夢の世界ということ。

 

 このゲームの発売以来、何十年もという月日を生きてきた人々は、コホリント島に再び漂着してしまったということです。

 どうでしたか?

 夢の世界の濃度が昔よりも濃くなっているはずです。

 ゲームの住人たちの数は変わりません。彼らの台詞の量も動作も以前のままです。

 しかし着実に、私たちが想い出すことができる人々の数は長い人生の中で増えていきます。

 

 クリアした皆さん、コホリント島にいたはずの住人や造物の数々が、前よりも多くなっている気がしませんでしたか。

 

 クリアと同時に想い出すのは、もともとコホリント島にいた人々だけでなく、今までプレイヤー自身の人生で出会ってきた見聞きしてきた多くの事々でした。

 

 このゲームはプレイヤーの人生を映し出し、幕を閉じるのです。

 プレイヤーの人生を基として成長するゲーム、それが「夢をみる島」が名作である所以でしょう。

 

 また数十年後にリメイクされていることでしょう。

 そのときはどんなEDになっているのでしょうか。

 その未来を待ちつつ、人生を生きていこうと思います。

 

↓ちなみにこれが僕の実況動画です。よかったら、どうぞ。

 

www.youtube.com

 

 

 ちなみに私は魚釣りのイベントでリンクがどや顔する場面が好きです。

 

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ゼルダの伝説 夢をみる島 -Switch

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